2017年8月21日月曜日

高雄捷運

これまで頻繁に高雄・屏東・岡山へ遠征していますが、その際必ず利用している交通機関があります。
 
高雄捷運(Kaohsiung Rapid Transit System)は高雄市のコミューター輸送を担ういわば"メトロ"で、2007年に高雄の交通渋滞を緩和する目的で運航開始されました。
 
 
地下鉄型の路線は2路線。
紅線は高雄南にある小港から地下を通りながら高雄空港、高雄駅、高鉄の駅がある左営駅や繁華街を通り、岡山基地のある南岡山駅へと至ります。
一方の橘線は少しマイナーで、大寮(台鉄後庄付近)から乗換駅の美麗島を通り、景勝地西子湾へと至ります。
この2つの路線が美麗島駅で乗り換えが可能となっており、非常に便利な路線となっています。
 
車両はは台湾の一般的な捷運型3両編成で、路線に関わらずすべての車両が緑色の帯をまいています。
 
 車内も一般的な台湾の捷運型車両の車内。

大きく異なる点は車端部で、台北捷運の車両は車端部に座席と窓があるのに対し、
高雄捷運の車両では座席と窓が省略され、車両長がその分短くなっています。
 
台北捷運、桃園機場捷運は主に日本製の車両が多いですが、高雄はドイツのシーメンス製。
高雄捷運ではシーメンス社の株が入っているため、今後もシーメンス社の車両以外は入らないと思われます。
 
 シーメンス製なためつり革がユニークな形をしています。

駅構造もいたって台湾の捷運型の駅。ホームドアとホームがあり、飲食厳禁も同様です。
写真は橘線の鹽埕埔駅
ホームドアは、全面ガラス張り。松山新店線や桃園機場捷運と概ね同様です。
写真は紅線高雄駅。
改札も台北捷運と同じつくり、乗車券がICトークンとよばれるプラスチックのチップなのも同じです。
写真は橘線の鹽埕埔駅

ショッピングセンター等が立ち並ぶ地区にある紅線の三多商圏駅。
少し開放的な作りとなっていました。
高雄駅の改札フロアです。改札出てすぐにモスバーガーがあるのが特徴です。(改札を出ると飲食可)
台鐵高雄火車站の地下化を進めており、紅線の駅も一体構造となるため現在仮駅運用中です。
仮駅とは思えない開放的な造りですが、エスカレーターが折り返しになっているあたりに仮駅であることがうかがえます

現在の高雄火車站。仮開業となっている為ホームが通常の駅より短くなっています。
開通後はこの写真の奥、南岡山方面へとホームが拡張されます。

紅線の左営駅以北は高架区間となります。外の光が車内に入り非常に明るい印象でした。
東山線同様工費を削減するため、というのが理由のようです。

高架区間は開業当初まだ開発途上だったそうですが、
今では町が並び高雄らしい街並みが一望できるようになりました。

世運駅から橋頭火車站駅までは高架駅です


終点の南岡山駅はホームドアがない地上駅。ここから先は2027年の開業をめざし延伸が計画されていますが、着工には至っていません。
岡山の基地解放では台鉄の岡山駅のほかこの南岡山駅からもシャトルバスが運行され、捷運開業により基地へのアクセスが格段と良くなったと言われています。

乗換駅の美麗島には"愛と包容"を現す世界最大のガラスパブリックアート"光之穹頂"があります。
台湾を震撼させた民主化運動"美麗島事件"が起こった場所でそれにちなんで駅名がつけられ、このステンドグラスもその運動にちなんだものとなっています。
 
高雄国際機場駅の改札前にあるエメラルドの結晶「凝聚的綠寶石」。
ドイツのガラス芸術家の作品で、世界最大の3Dガラス公共芸術作品だそうです。
 
他にもさまざまな駅にパブリックアートがある面白い地下鉄でもあります。
 

 
この捷運2路線は、高雄の交通の一端を担った他、交通渋滞を緩和して成果を上げました。
しかし高雄は台北に比べ重要性が低いことなどから半官半民の経営となり、ここに地下鉄の建設費がのしかかったことから、長年赤字経営が続くこととなります。
 
 
そんな赤字脱却を狙うべく登場したのが高雄で今大人気のキャラクター"高捷少女"
 
 
はじめはマナー啓発ポスターから始まりました。このようなポスターは非常に目立ち啓発の役割を果たしました。
しかし、それ以上にこのイラストが話題を呼び台湾中で人気となりました。
 
そして、今では…。

駅一角を占有する高捷少女コーナー。
駅の広告も高捷少女。
 
さらにプラットホームのホームドアには…。
ホームドアにデカデカと高捷少女の広告。
 
今年夏には痛ラッピング車両が走り始めました。
 
ラッピング車両が走り始めたのは高雄中心部を走る高雄軽軌
将来的には環状運転を実施する予定だそうで、現在は部分開業中。その大半が高雄貨物線の廃線跡を利用しています。
 

 一見すると広島や福井などで走る一般的なLRT車両ですが、バッテリーで走るため架線がありません。
充電は駅の上に架線が用意されていて、停車中に充電を行います。

高捷少女のラッピング車両がやってきました。

日本では窓以外の場所にラッピングしますが、窓の部分だけラッピングするのが高雄流。
先頭から駅員の小穹、運転士でドイツ人のハーフの艾米莉亞、整備士の婕兒、カスタマーサポーターの耐耐が描かれています。
 
 逆側は、小穹、艾米莉亞の他、公募で決まった駅員の飛揚(男性)と雅朵が描かれています。
たかめ少女は日本でもノベライズ化されていますが、この2人はSimon社に所属していないため登場しません。
代わりに、Simon社に版権がないことから、最近は高雄捷運が企画するアプリケーションなどには、この2人が起用されることが多いです。

 
車内にも高捷少女が散りばめられています。
ちなみにこの高捷少女、台湾で人気となり、これによって高雄捷運の利用客が増加。
めでたく去年単年度黒字を達成しました。
また駅ではグッズも販売されていて、iPassはもちろん、各種ポストカードやバッグもそろっています。
 
しかし、二次元に興味がない方々も多くいるはずで、こういった車両や駅をどののように見てるかも興味深いです。
 
 
夕方の高雄市内にたかめ少女が描かれたラッピング車両が駅に到着。
 
ラッピング車両が疾走。
専用軌道ということもあって福井鉄道やえちぜん鉄道ほどではないですが、直線区間は結構速い速度で通過します。
 
高捷少女以外にもラッピング車両が存在します。
同じく窓にラッピングされています。

ライトレールが夕日を映します。。
 
日が暮れてきました。奥の寺院が何とも台湾らしいです。
 
夕方。高捷少女ラッピング車両が戻ってきました。かなり側面が光ってしまって絵が見えず…。
このラッピング車両、17年9/30までの期間限定で走っていました。 
 
今後の高雄捷運、並びに高捷少女の活躍に期待です。
 
(10/15 高雄駅の様子を追加)
 
本記事は以下の日付で撮影されたもので構成されています。
2016年10月9日/10月10日
2017年4月10日/4月11日/4月26日/5月11日/8月10日/8月11日/8月12日/9月24日

0 件のコメント:

コメントを投稿